アンティグアからアティトラン湖へ。

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三ヵ月の語学学校を終え、九月末にアンティグアを離れました。

いよいよこれから本当の意味での旅が始まります。

アティトラン湖を囲むいくつかの町の一つ、サンペドロ・ラ・ラグーナという場所に十月から滞在しています。

このサンペドロの町も格安でスペイン語留学ができると人気の町です。

町を散策していると湖畔に沿っていくつものスペイン語学校が点在していています。

でも僕は語学学校に通うわけではありません。

ただ湖を眺めながらゆっくりしたいと思いこの町を選びました。

他にも一番人口の多い、すべての町の拠点となるパナハッチェルやアーティスチック町サン・フアン・ラ・ラグーナ、僕が折を見て行きたいと思っているサンタ・カタリナ・パロポなどいくつもの個性豊かな町がアティトラン湖を囲んでいます。

それに囲んでいるのは町だけでなく、三つの火山とそれに伴う大小の丘がこのカルデラを形成しています。

そんな湖のほとりで二週間ほどのんびりし、また次の目的地へ出発する予定でした。

ところが僕がサンペドロに入った翌日にデモが始まり、その数日後にはグアテマラ全土の国道が遮断され、このアティトラン湖から一歩も外に出ることができなくなってしまいました。

現在、デモが始まって三週間目が過ぎようとしています。

おそらく来週にはこのデモは終わるだろうとのことですが(現地のツアー会社やレストランの店員さんの情報)それも定かではありません。

町には当然観光客はほとんどおらず、いるのは現地人か僕のように足止めを食らった外国人がちらほら伺える程度です。

町は活気がなく閑散としています。

しかしのんびりできる環境は整っていて、晴れた日は毎日湖まで出向き、石垣に座り寂しくなったボートの往来を眺めています。

それが終わると家に帰り、無理やり時間をやり過ごします。

一番良い過ごし方はスペイン語の勉強をするか本を読むことですが、たいていの場合YouTubeを見て時間を潰します。

そのサイクルは僕にとって苦痛ではありませんでしたが、サンペドロに入って二週間が過ぎたころ向かいの町のパナハッチェルという町に移動することにしました。

なぜかというと、パナハッチェルは人や物の流通の拠点になっているからです。

というのもサンペドロにはもう僕が行くべき安いレストランやパン屋は店を閉めているか、数を減らしています。つまり食べるものが無くなったのです。

パナハッチェルにはスーパーや大きなメルカドがありそれらは十分機能していて、あとどれくらいここで過ごすのかわからない身としては自炊は必須で、それならパナハッチェルの方が有利だろうと判断したからです。

そして今僕はパナハッチェルの二十人部屋のドミトリーにドイツ人の男と二人で滞在しています。

あとどれくらい僕はこのアティトラン湖と過ごすのでしょうか。

何が起こるかわからないのが旅の醍醐味ですが、もうそろそろグアテマラを後にしたいものです。

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